日本の国菌
みなさんは「国菌」というのをご存知ですか?
「国花」は桜、「国鳥」は雉、「国魚」は鮎、「国蝶」はオオムラサキ、そして「国菌」は麹菌(学名=アスペルギルス・オリゼ 以下「オリゼ」)です。
オリゼは地球上で日本にしか存在しない、正真正銘の「国菌」です。
日本人とオリゼの出会いははるか昔、8世紀の「播磨国風土記」に「神様にお供えした蒸し米がぬれてカビがはえ、お酒になった」との記述があり、これが文書記録としては最古のものだそうですが、人々の暮らしにはもっと前から身近なものとして根付いていたようです。
このオリゼは、蒸したお米や麦にくっついて糀(米こうじ)や麹(麦こうじ)になります。
糀や麹は和食を支える発酵食品である醤油やみそ、みりん、お酢、焼酎、日本酒(大好物!)の製造の原料になります。
つまりオリゼは日本の発酵食品に欠かせないものなのです。
実は私、7年ほど前から発酵にハマっていまして、世の「甘酒ブーム」より早くから塩麹や醤油麹(もちろん甘酒、ときどきどぶろくも)をひっそり作って堪能しています。
自作の発酵食品は思い入れもあっていっそう美味しいのです。
コロナに翻弄された令和2年ももう12月。
年末年始はおうちで心静かにオリゼの恵みの和食を楽しみ、「国酒」である日本酒(大好物!)を味わってみてはいかがでしょうか。(文/新谷)