母の手料理
今年の夏休みは新型コロナウイルスの影響で帰省されなかった方も多かったかと思います。
母親の手料理が食べたかったなぁ。なんて思う方もいらっしゃったのではないでしょうか。
ご家庭ごとに「お母さんの味」「おふくろの味」があることと思います。
私は母親が作る料理の中で大好きだった料理は餃子です。子供の頃、「お母さん!今日の夕飯は何??」「餃子だよ!」はとても嬉しい響きでした。
今では我が息子も私の子供の頃と同じく、「ママ!今日の夕飯は何??」「餃子だよ!」となれば大喜びです。
家庭を持つようになり、母のような餃子を作りたいなぁと・・・でも、既に他界してしまいレシピなども分からず、恐らく母のことだから目分量だろうなぁと。
母の隣でお手伝いをしていた記憶を思い出しつつ、改良を重ねて現在の「我家の餃子」になりました。家族からのリクエストも多く、作る回数が増えたことにより10分で50個の餃子を包めるまでになりました。
また、私の父が我家に遊びに来る際は「お母さんの味がする」と必ず餃子のリクエストが入ります。
親子だから似ているのか、私の舌が記憶しているのか、様々なことが重なり合っているかと思います。
人の味覚にまつわる記憶には五感が大きくかかわっているのではないかという研究が進んでいるようです。
好きだった人がかつて「作ってくれたもの」、それを食べて「美味しかった」という記憶を人間の脳はずっと失わないものなのかなと思います。
来月には、母の13回忌を迎えます。今年はコロナ禍で親族での会食が難しいため、家族で「我家の餃子」を囲んで故人を偲びたいと思います。
文/今井