粛(しゅく)ではなく熟(じゅく)で
ここ2~3年は梅の時期になると心がうずうず&いじいじ美味しいし楽しいし、でも、面倒だし買ったほうが早いかと。
そんな私に夫の母から、11月に義父の13回忌を行いたいと話がありました。
ワクチンも普及しつつあるし自分の年齢を考えると最期のつもりできちんと行いたいとの希望。
夫の母は御年88歳。
師範学校を出て家政科の教師となり結婚するまでは短大で教鞭を、私の夫と義弟の子育て中は近所の主婦を中心に裁縫教室を開いていたスーパーウーマン。
自分のウェディングドレスに始まり、2人の息子の小学校時代(4~50年前⁈)の洋服はほとんど手作り、バザーではプチシュークリームを焼いてかなりの儲けを出していたと良妻賢母のエピソードが数知れず。
嫁いでからは愛のある厳しい指導でいろんなことを教えてもらいました。
一方、12年前に亡くなった義父はハンサムでダンディ、加えて、私をとても可愛がってくれました。
私が何か失敗をするたびに、母に嘘をつき外に出ては公衆電話から電話をくれ、母への謝り方やプレゼントのヒントを教えてくれるような人でした。
公衆電話がつながった瞬間に鳴る音は今でも忘れられません(笑)
そんな二人が共に喜んでくれていたのが梅酒の実を使ったジャム。
何度となく褒めてもらい催促してくれたものです。
梅の季節に聞かされた13回忌の知らせに心は決まりました。
今年は梅酒作りを復活することにしたのです。
何かと制約の多い今ですが、母と父の仏前に美味しいジャムをプレゼントするため、11月までの時間を自粛ではなく熟成の時間と考え過ごしたいと思います。
(文/大淵)